金融機関の不良債権担当者様
任意売却を進めるにあたっては大変な手間隙がかかるため、どのご担当者様もお悩みの尽きないこととではないでしょうか。
不良担保不動産の売却に際してはまず、所有者の説得で一苦労します。すでに投げやりになられている場合も多いからです。本当に根気よく対話する覚悟を求められます。
しかしたとえ処分に応じてもらえたとしてもそこはやはり愛着のあるマイホームですから何をさておいても積極的に・・・とは行かないでしょう。
そして、後順位の債権者や税金滞納があれば役所関係も納得させねばなりません。
弊社では債権者様からのご紹介にて任意売却のご依頼を受けた場合、所有者様の補助者として、債権者様に最も配慮した提案をさせていただきます。 あわせて、担保物権につき利害関係人等も考慮して、任意売却を進めることが妥当か否か、またその見通しについてもアドバイスさせていただいております。
任意売却に向かないケース
戸建て住宅の場合、バブル時はもちろんその後融資された物件の中にも現在(平成21年)の住宅ローン融資基準を満たさない物件が多数見受けられます。このような物件は市場に出しても現実には融資が通らないため現金での買主が現れるまで回収に長期間を要したり減額交渉されたりします。従って競売も視野に入れ総合判断しなければなりません。
1.連棟住宅
位置指定のない私道はもちろん連棟住宅そのもの。
2.建ぺい率オーバー
10%以上超過物件。
3.境界不明物件
測量に時間と費用がかかるうえ、縄伸び、縮み、近隣とのトラブルが想定されます。
4.市街化調整区域の物件
再建築が出来ない。
5.事故物件
競売のほうが好条件になる事もあります。
基本的に所有者の協力は不可欠ですが、任意売却に応じない、行方不明などの場合や利害関係人の協力が得られない場合も多くあります。その多くは債務から逃れるために安易な行動に走ったり、感情的になっているものです。このような場合は中立的な立場を保ちつつ、所有者のアドバイザーとなれる私たちが間に入ることで事態は収束することも少なくありません。また一見すると協力的であったとしても面談をした上で任意売却は避けるべきと判断する場合もあります。一般の買付け者との取引になる任意売却ではトラブルを避けるために万全を期するべきだからです。
滞納処分による差押がある場合
昨今、市役所などは「本税は全額支払いでないと解除できません」などと強硬に主張してくるケースが増えてきました。税収の落ち込みと共に滞納税が議会等で問題になったりしているようで、劣後部分に対してもなかなか譲りません。本来無益な差押であったとしても、それを証明できる無剰余疎明資料を提出してもなお、はっきりとした返事がなかなか返ってきません。(そもそも滞納税回収の目的よりも、議会への弁明措置としての時効停止のための措置でしょうから。)
劣後部分の放棄まで交渉を重ねるか、判子代で納得させるか、本税の半額程度は止むを得ないのか、これらの判断は時間と費用面での対効果を考えなければなりません。
ある程度譲歩をしてでも先に進めるか、あるいは不動産鑑定を依頼してでも戦うのかはケースバイケースです。なお税金や社会保険料の滞納はあるが差押がない場合でも注意が必要です。決済前に慌てて差し押さえてくることも十分考えられます。この場合は時間をかけて交渉できないことが多く、多少の解除料は止むを得なくなります。このような事態を避けるために任意売却の初期段階で債務者へのアドバイスも必要になります。