Q12.
借地人に「木造建物所有目的」で土地を貸していました。この借地は全面道路より1メートル程高くなっていたので、借地人はこれまで自分で擁壁を造って借地を利用していました。
ところが、借地人の同居している息子が車を購入したようで、建物前面の公道側の擁壁を無断で一部取壊し、敷地を公道と同じ高さに掘り下げて駐車場を造り、使用しています。
この場合、用法違反で借地契約を解除できないでしょうか? また、解除はできないにしても、駐車料を地代とは別に請求することはできないでしょうか?
借地人に「木造建物所有目的」で土地を貸していました。この借地は全面道路より1メートル程高くなっていたので、借地人はこれまで自分で擁壁を造って借地を利用していました。
ところが、借地人の同居している息子が車を購入したようで、建物前面の公道側の擁壁を無断で一部取壊し、敷地を公道と同じ高さに掘り下げて駐車場を造り、使用しています。
この場合、用法違反で借地契約を解除できないでしょうか? また、解除はできないにしても、駐車料を地代とは別に請求することはできないでしょうか?
A.
「木造建物所有目的」で貸した場合、借地の空いている部分は、借地契約の趣旨に反しない限り、借地人が利用することができます。例えば、借地である庭に花壇を造ったり、駐車場として借地人の家族が利用することは、借地契約の趣旨に反しない合法的な使用方法とされています。
本件では、公道側の擁壁を、無断で一部取壊し、敷地を公道と同じ高さに掘り下げた行為が問題となっていますが、
- もともとこの擁壁は借地人が設置したものであること
- 駐車場として借地人の家族が利用することは、借地契約の趣旨に反しない合法的な使用方法であること
- この利用方法により、特に地主が不利益をこうむらないこと
等から、用法違反で借地契約を解除することは、認められないと思われます。
さらに、駐車場にした土地は借地の一部であるから、借地人の息子が駐車場に使用したとしても、別途駐車料を請求したり、駐車料分の地代の値上げを請求すること、さらに、原状回復を求めることも地主に損害が発生していない限り難しいと思われます。